ファクタリングの仕訳処理を徹底解説:会計処理の正しい理解と実務対応

2026年1月3日

ファクタリングは、売掛債権を現金化することで資金繰りを改善できる便利な手段として、多くの企業に利用されています。しかし、実際にファクタリングを導入した際に悩むのが「仕訳処理」です。借入ではないこの取引を、どのように会計帳簿に記録すればよいのか、初めて利用する方にとっては戸惑うポイントかもしれません。特に、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは仕訳の方法が異なるため、正確な理解が求められます。本記事では、ファクタリングの仕訳処理について、基本から実務での対応方法まで詳しく解説していきます。

ファクタリングの会計上の位置づけ

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売却することで資金を得る取引です。借入ではないため、通常の借入金のように負債として計上する必要はありません。会計上は「債権の譲渡」として処理され、売掛金の消滅と現金の受け取りが同時に発生する形になります。

・売掛債権を譲渡した時点で、売掛金を減少させる
・譲渡によって得た現金を「普通預金」や「現金」として計上する
・ファクタリング手数料は「支払手数料」や「雑費」として処理する

このように、ファクタリングは資金調達でありながら、借入とは異なる処理が必要となるため、仕訳の方法を正しく理解しておくことが重要です。

2社間ファクタリングの仕訳処理

2社間ファクタリングは、利用企業とファクタリング会社の間で契約が完結し、取引先には通知されない形式です。この場合、売掛債権を譲渡したにもかかわらず、取引先からの入金を装う必要があるため、会計処理がやや複雑になります。

たとえば、100万円の売掛金を95万円でファクタリング会社に譲渡した場合、以下のような仕訳が考えられます。

・(借方)普通預金 950,000円
・(借方)支払手数料 50,000円
・(貸方)売掛金 1,000,000円

このように、売掛金を消滅させると同時に、受け取った金額と手数料を分けて記録することで、実態に即した会計処理が可能になります。

3社間ファクタリングの仕訳処理

3社間ファクタリングでは、取引先にも債権譲渡が通知され、売掛金の支払いはファクタリング会社に直接行われます。この場合、売掛金の譲渡が明確であるため、仕訳処理も比較的シンプルです。

売掛金1,000,000円を950,000円で譲渡した場合の仕訳は、以下のようになります。

・(借方)普通預金 950,000円
・(借方)支払手数料 50,000円
・(貸方)売掛金 1,000,000円

2社間と同様の仕訳になりますが、3社間では取引先への通知があるため、会計上の透明性が高く、税務調査などでも説明しやすいという利点があります。

ファクタリング手数料の処理と注意点

ファクタリングにかかる手数料は、会計上「支払手数料」や「雑費」として処理されるのが一般的です。ただし、金額が大きい場合や継続的に利用している場合は、勘定科目を統一し、明確に管理することが求められます。

・手数料の勘定科目は「支払手数料」または「雑費」が一般的
・税務上の経費として処理できるが、領収書や契約書の保管が必要
・消費税の課税対象外であることが多いため、仕訳時に注意が必要

また、ファクタリングの利用が頻繁になる場合は、会計ソフトで専用の補助科目を設定することで、管理がしやすくなります。

まとめ

ファクタリングは、資金繰りを改善するための有効な手段ですが、会計処理においては独特の仕訳が必要となります。特に、2社間と3社間では契約形態が異なるため、仕訳方法にも違いが生じます。売掛金の消滅、現金の受け取り、手数料の計上といった一連の流れを正確に記録することで、帳簿の整合性を保ち、税務上のトラブルを防ぐことができます。

仕訳処理に不安がある場合は、税理士や会計士に相談することも検討しましょう。正しい知識と実務対応を身につけることで、ファクタリングをより安心して活用できるようになります。