2社間ファクタリングの注意点とは?リスクや回避策、業者選びのポイントを徹底解説

2025年12月3日

「取引先に知られずに、最短即日で資金調達をしたい」
そんな法人経営者や個人事業主にとって、2社間ファクタリングは非常に魅力的な選択肢です。しかし、手続きが簡便で秘匿性が高い反面、2社間ならではの「落とし穴」や「法的な注意点」が数多く存在することをご存知でしょうか。

注意点を十分に理解せずに契約してしまうと、思わぬ高額手数料を支払わされたり、最悪の場合は刑事罰に問われたりするリスクさえあります。本記事では、2社間ファクタリングを利用する際に絶対に避けて通れない注意点を、契約時・運用時・業者選びの3つの観点から徹底的に解説します。

2社間ファクタリングの基本的な仕組みとリスクの所在

注意点について深く掘り下げる前に、なぜ2社間ファクタリングに特有の注意点が多いのか、その根本的な理由を整理しておきましょう。

2社間ファクタリングは、利用者(あなたの会社)とファクタリング会社の2者だけで契約を結びます。最大の特徴は「売掛先(取引先)に通知しない」という点です。これにより、取引先からの入金は一度利用者の口座に入り、それを利用者がファクタリング会社へスライドして送金する、という流れになります。

この仕組みは、ファクタリング会社から見れば「利用者が資金を使い込んでしまうのではないか」「同じ債権を他社にも売っているのではないか」という不安(リスク)が常に付きまとうものです。このリスクを回避するために、契約内容が厳格化されたり、手数料が高く設定されたりしているのです。つまり、2社間の注意点の多くは、この「信頼関係の維持」と「リスクヘッジ」から生まれています。

利用者が絶対に知っておくべき「契約上」の注意点

まずは、契約書を交わす前に必ずチェックすべき法的な注意点を見ていきましょう。

① 償還請求権(ノンリコース)の有無を必ず確認する

ファクタリング契約において最も重要なのが「償還請求権がない(ノンリコース)」ことの確認です。これは、売掛先が倒産して売掛金が回収できなくなった場合に、利用者がその代金を肩代わりしなくてよい、というルールです。

正当なファクタリングは「債権の売買」であるため、業者が未回収リスクを負うのが大前提です。もし契約書に「売掛先が支払わない場合は利用者が買い戻す」「利用者が支払いを保証する」といった条項がある場合、それはファクタリングではなく、形を変えた「貸付(融資)」とみなされます。貸金業登録のない業者がこのような契約を行うのは違法である可能性が高く、非常に危険です。

② 債権譲渡登記の必要性とデメリットを理解する

2社間ファクタリングでは、業者が債権の所有権を公的に証明するために「債権譲渡登記」を求めることがあります。登記をすることで業者のリスクは下がりますが、利用者には以下のデメリットが生じます。

一つは、登記費用(登録免許税や司法書士報酬)として数万円〜10万円程度のコストがかかることです。もう一つは、法務局で誰でも閲覧可能になるため、可能性は低いものの、取引先や金融機関に知られるリスクがゼロではない点です。最近では「登記不要」を売りにする業者も増えているため、秘匿性を重視する場合は登記の有無を事前に確認しましょう。

③ 手数料の内訳と「実質負担額」を確認する

2社間ファクタリングの相場は8%〜18%程度ですが、見かけの手数料率だけで判断するのは禁物です。業者によっては、手数料率を低く見せておきながら、「事務手数料」「審査料」「着手金」といった名目で別途費用を加算してくることがあります。

契約前に「最終的に自分の手元にいくら残るのか」というネットの金額を必ず確認し、不明瞭な費用が含まれていないか厳しくチェックしてください。

運用面での注意点:トラブルを防ぐための鉄則

契約が無事に済んだ後も、2社間ならではの運用ルールを守らなければ、重大なトラブルに発展します。

① 回収した代金の「使い込み」は刑事罰の対象になる

2社間ファクタリングで最も多いトラブルが、売掛先から入金された代金を、他の支払いや生活費に流用してしまう「使い込み」です。
売掛債権を売却した時点で、そのお金の所有権はすでにファクタリング会社に移っています。入金されたお金を勝手に使う行為は、法律上「横領罪」や「詐欺罪」に問われる可能性がある、極めて重い背信行為です。どんなに資金繰りが苦しくても、入金された代金には一切手をつけず、速やかに業者へ送金しなければなりません。

② 「二重譲渡」は絶対にやってはいけない

一つの売掛債権を複数のファクタリング会社に売却することを「二重譲渡」と呼びます。これは明確な犯罪行為であり、発覚した瞬間に契約解除、一括返済、さらには刑事告訴へと発展します。2社間ファクタリングは業者が債権の状態を確認しにくいため、こうした不正が行われやすい側面がありますが、業界内の情報ネットワークでいずれ必ず露呈します。

③ 送金遅延は次回の利用を不可能にする

売掛先からの入金があった当日、遅くとも翌営業日にはファクタリング会社へ送金するのが基本です。たとえ悪意がなくても、送金が遅れるだけで業者は「使い込みの予兆」として警戒します。一度失った信頼を取り戻すのは難しく、次回の審査に大きな悪影響を及ぼします。2社間ファクタリングは、利用者の誠実な振る舞いがあってこそ成り立つサービスであることを忘れてはいけません。

悪徳業者(偽装ファクタリング)を見分けるための警告サイン

2社間ファクタリングはその性質上、不透明な運営をする業者が紛れ込みやすい領域です。以下のような兆候があれば、その業者は避けるべきです。

一つは、手数料が相場を大きく超えて30%以上になるケースです。リスクが高いとはいえ、30%を超えるような設定は健全な取引とは言えません。

二つ目は、代表者の名前や会社の所在地が不明瞭、あるいは電話番号が携帯電話のみといったケースです。信頼できる業者は必ず公式サイトで情報を公開しています。

三つ目は、契約書の控えを渡さない業者です。後から条件を書き換えたり、法外な遅延損害金を請求したりする手口によく見られます。「契約書は一通しか作らない」「後で郵送する」といった言葉は信用してはいけません。必ずその場で控えを受け取れる業者を選びましょう。

2社間ファクタリングを賢く利用するための対策

注意点を踏まえた上で、より安全に、かつ有利に2社間ファクタリングを活用するためのコツをお伝えします。

まず、債権の質を高めることです。信用力の高い大手企業や公的機関の債権を売却対象に選べば、業者のリスクが下がり、手数料交渉がしやすくなります。

次に、オンライン完結型のサービスを活用することです。AI審査を採用しているサービスは、人件費が抑えられているため手数料が低く、かつ人間による「忖度」や「不透明な費用加算」が入りにくいというメリットがあります。

そして、無理のない計画的な利用を心がけることです。ファクタリングはあくまで一時的な資金調達手段であり、常用しすぎると手数料負担で利益が削り取られてしまいます。なぜ資金が不足したのかという根本原因の解決と並行して利用することが、真の意味での資金繰り改善につながります。

まとめ:メリットと注意点を天秤にかけて判断を

2社間ファクタリングは、緊急時の資金繰りを助ける非常に強力なツールです。しかし、その利便性の裏には、高めの手数料設定や、使い込み厳禁といった重いルール、さらには悪徳業者のリスクといった多くの注意点が潜んでいます。

「償還請求権なし」の契約か
「使い込み」や「二重譲渡」は絶対にしない
手数料の「内訳」まで含めた実質負担を確認する

これらのポイントを常に意識し、自社の利益を守るための盾として知識を蓄えてください。注意点を正しく理解していれば、2社間ファクタリングは事業成長を加速させるための大きな武器になります。

提示された条件に少しでも違和感を覚えたら、一度立ち止まって他社と比較する余裕を持つことが、賢い経営者の第一歩です。