ファクタリングの「2者間」と「3者間」の違いは?メリット・デメリットと最適な選び方を徹底解説

2025年12月4日

ファクタリングを利用しようと調べ始めると、必ず目にするのが「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」という言葉です。どちらも売掛債権を現金化する手段に変わりはありませんが、その仕組みや手数料、さらには今後の取引先との関係性に至るまで、内容は大きく異なります。

「結局、うちの会社はどっちを選べばいいの?」
「取引先に知られずに資金調達したいけれど、3者間の方が手数料が安いのは本当?」

こうした疑問を解決するために、本記事では2者間と3者間の決定的な違いを5つのポイントから徹底比較します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の状況に最適な資金調達方法を選べるようになりましょう。

1. 2者間と3者間の根本的な仕組みの違い

まずは、それぞれの契約に「誰が登場するのか」という基本の形を整理しましょう。

2者間ファクタリングの仕組み

2者間ファクタリングは、「利用者(あなたの会社)」と「ファクタリング会社」の2者だけで契約を結びます。
この方式の最大の特徴は、売掛先(取引先)にファクタリングを利用することを通知しない点にあります。売掛先から売掛金が入金されたら、利用者がそれをそのままファクタリング会社へスライドして送金することで取引が完了します。

3者間ファクタリングの仕組み

3者間ファクタリングは、「利用者」「ファクタリング会社」に加えて、「売掛先(取引先)」も含めた3者で契約を結びます。
最大の特徴は、取引先に対して「売掛債権をファクタリング会社に譲渡しました」という通知を行い、承諾を得る必要がある点です。入金時には、売掛先からファクタリング会社へ直接代金が支払われます。

2. 手数料相場の違い:なぜこれほど差が出るのか

利用者が最も大きな違いを実感するのが手数料の安さです。

2者間ファクタリングの手数料:8%〜18%程度

2者間は3者間に比べて手数料が高く設定されています。その理由は、ファクタリング会社側が背負うリスクが高いからです。売掛先からの入金がいったん利用者の口座に入るため、そのお金を他の支払いに流用(使い込み)されるリスクや、同じ債権を他社にも売る(二重譲渡)リスクが発生します。こうしたリスクへの備えが、高い手数料率に反映されています。

3者間ファクタリングの手数料:1%〜9%程度

3者間は、銀行融資にも劣らない非常に低い手数料で利用可能です。売掛先が直接ファクタリング会社へ振り込むため、利用者が勝手にお金を使い込むリスクがありません。業者の回収リスクが極めて低くなるため、その分を手数料の引き下げという形で利用者に還元しているのです。

3. 入金スピードの違い:即日か、数週間か

資金調達の「早さ」を重視する場合、この違いは致命的な差になります。

最短即日も可能な2者間

2者間ファクタリングは、取引先の承諾を得るプロセスが不要です。自社と業者の間で書類が揃えばすぐに契約・実行ができるため、最短即日、遅くとも2〜3営業日以内に入金されるのが一般的です。「明日までに支払いをしなければならない」といった緊急時には、2者間が唯一の選択肢になることもあります。

時間がかかる3者間

3者間ファクタリングの場合、取引先への通知と承諾、そして三者間での契約書の取り交わしに時間がかかります。取引先の経理や法務の確認を待つ必要があるため、申し込みから入金までには1週間から、場合によっては1ヶ月程度かかることもあります。スピードよりも「コスト」を重視し、時間に余裕がある時向けの方式と言えます。

4. 取引先への「通知」と「信頼関係」への影響

この点が、多くの経営者が最も悩むポイントではないでしょうか。

秘密裏に進められる2者間

2者間ファクタリングは、取引先に一切通知をしません。そのため、「資金繰りに苦しんでいるのではないか?」という懸念を取引先に抱かせることがなく、今後の継続的な取引に影響を与えないという大きな安心感があります。

通知が必須となる3者間

3者間ファクタリングでは、取引先に債権譲渡の通知が届きます。日本の商習慣では、ファクタリング=資金難というイメージを持つ企業もまだ少なくありません。取引先によっては「この会社は経営が危ないのかもしれない」「支払いを待たされるのではないか」と不安に感じ、今後の受注に影響が出るリスクがあります。
一方で、建設業界や運送業界など、ファクタリングが一般的になりつつある業界であれば、3者間でもそれほど抵抗感を持たれないケースもあります。

5. 審査難易度と対象となる債権の違い

どちらの方式を選ぶかによって、審査の「通りやすさ」も変わってきます。

利用者自身の信用も問われる2者間

2者間は「使い込み」のリスクがあるため、売掛先の信用度だけでなく、利用者(あなたの会社)の誠実性や経営実態も厳しくチェックされます。

売掛先の信用がメインとなる3者間

3者間は回収が確実であるため、審査の焦点はほぼ「売掛先の支払い能力」に絞られます。利用者がたとえ赤字決算や税金滞納があったとしても、売掛先が上場企業などの優良企業であれば、審査に通る可能性は非常に高くなります。

どちらを選ぶべき?状況別の判断基準

2者間と3者間、どちらが優れているということではなく、自社の優先順位で選ぶことが大切です。

2者間ファクタリングが向いているケース

とにかく急いでいる:即日〜3日以内にお金が必要な場合。
取引先に絶対に知られたくない:資金繰りを知られることで、受注の減少や取引停止のリスクを避けたい場合。
手続きを簡略化したい:取引先を巻き込んで面倒な調整をしたくない場合。

3者間ファクタリングが向いているケース

手数料を最小限に抑えたい:資金調達コストを下げ、利益をしっかり残したい場合。
時間に余裕がある: 数週間後の入金でも問題がない場合。
取引先との信頼関係が極めて深い:「早期に現金化して次のプロジェクトの仕入れ資金に充てたい」といった理由を正直に話し、協力が得られる場合。

まとめ:違いを理解して賢くキャッシュフローを改善する

2者間と3者間の違いをまとめると、「2者間はスピードとプライバシーを重視し、3者間はコストの安さを重視する」というシンプルな結論になります。

手数料の安さに惹かれて3者間を選んだ結果、取引先との関係が悪化しては元も子もありません。逆に、2者間の高い手数料を払い続けることで、経営がさらに苦しくなってしまうのも避けなければなりません。

まずは自社の資金ニーズが「いつまでに」「いくら」必要なのかを明確にし、その上で売掛先との関係性も考慮しながら、最適な方式を選択してください。近年はオンライン完結型の2者間ファクタリングで、手数料を10%以下に抑えるサービスも増えています。固定観念にとらわれず、複数の業者に見積もりを依頼し、今の自社に最適な提案をしてくれるパートナーを見つけましょう。