ファクタリングの経理処理方法とは?仕訳の考え方と実務上の注意点を徹底解説

2025年12月25日

ファクタリングは、売掛債権を早期に現金化できる資金調達手段として、多くの企業に利用されています。資金繰りの改善や急な支払いへの対応に役立つ一方で、経理担当者にとっては「どのように仕訳すればよいのか」「会計処理上の注意点はあるのか」といった疑問がつきものです。

ファクタリングは融資ではなく、債権の譲渡という性質を持つため、通常の借入金とは異なる処理が求められます。また、契約形態(2社間・3社間)や償還請求権の有無によっても、会計処理の方法が変わるため、正確な理解が必要です。

この記事では、ファクタリングの経理処理方法について、仕訳の基本から実務上のポイントまでをわかりやすく解説します。

ファクタリングの会計上の位置づけ

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、その対価として現金を受け取る取引です。これは借入ではなく、資産の売却に該当するため、仕訳上も「債権の譲渡」として処理されます。

ただし、ファクタリングには「償還請求権あり(リコース)」と「償還請求権なし(ノンリコース)」の2つのタイプがあり、それぞれで会計処理が異なります。償還請求権がある場合は、債権のリスクが譲渡元に残るため、実質的には借入とみなされることもあります。

2社間ファクタリングの経理処理

2社間ファクタリングでは、売掛先に通知を行わず、債権者とファクタリング会社の間で契約が完結します。この場合、債権の譲渡が実質的に借入に近い性質を持つと判断されることが多く、以下のような仕訳が一般的です。

・資金受領時
 借方:現金預金
 貸方:短期借入金(またはファクタリング債務)

・売掛金回収時(ファクタリング会社への返済)
 借方:短期借入金
 貸方:売掛金

このように、2社間ファクタリングでは、債権の譲渡ではなく「売掛金を担保にした借入」として処理されることが多くなります。税務上も、債権譲渡益ではなく、借入金の返済として扱われます。

3社間ファクタリングの経理処理

3社間ファクタリングでは、売掛先に債権譲渡の通知と承諾が行われ、債権のリスクが完全にファクタリング会社へ移転します。この場合、会計上も「債権の売却」として処理されるのが一般的です。

・資金受領時
 借方:現金預金
 借方:ファクタリング手数料(支払手数料など)
 貸方:売掛金

この処理では、売掛金が帳簿から消え、代わりに現金と費用が計上されます。債権の回収はファクタリング会社が行うため、企業側ではその後の処理は発生しません。

ファクタリング手数料の処理方法

ファクタリングを利用する際には、手数料が発生します。この手数料は、通常「支払手数料」や「営業外費用」として処理されます。手数料が明確に分かれている場合は、資金受領額と手数料を分けて仕訳することが望ましいです。

たとえば、100万円の売掛債権を95万円で譲渡し、5万円が手数料だった場合の仕訳は以下のようになります。

・借方:現金預金 950,000円
・借方:支払手数料 50,000円
・貸方:売掛金 1,000,000円

このように、手数料を費用として計上することで、正確な損益計算が可能になります。

税務上の取り扱いと注意点

ファクタリングの経理処理は、税務上の取り扱いにも影響を与えます。特に2社間ファクタリングを借入として処理する場合、利息相当分の手数料が「支払利息」として扱われることがあり、損金算入の可否や消費税の課税対象となるかどうかに注意が必要です。

また、債権譲渡に関する登記を行った場合、その登記費用も経費として処理できますが、勘定科目の選定には注意が必要です。税理士や会計士と連携し、適切な処理を行うことが重要です。

まとめ

ファクタリングの経理処理は、契約形態や償還請求権の有無によって大きく異なります。2社間ファクタリングでは借入金として処理されることが多く、3社間ファクタリングでは売掛金の売却として仕訳されます。手数料の処理や税務上の扱いにも注意が必要であり、正確な会計処理を行うことで、財務諸表の信頼性を保つことができます。

経理担当者としては、契約内容をしっかりと把握し、仕訳の根拠を明確にすることが求められます。不明点がある場合は、税理士や会計の専門家に相談しながら、適切な処理を進めることが、企業の健全な財務管理につながります。