副業で融資を受けるには?利用できる制度や審査のポイントを詳しく解説

2026年9月1日

副業を始める際には、本業の収入とは別に新たな収益を得られる可能性がある一方、事業内容によっては初期費用や運転資金が必要になります。パソコンや業務用機器の購入、仕入れ、広告宣伝、Webサイトの制作など、副業であってもまとまった資金が必要になるケースは少なくありません。

こうした資金を自己資金だけで用意するのが難しい場合、選択肢となるのが「融資」です。

ただし、副業をしている人なら誰でも簡単に融資を受けられるわけではありません。金融機関によっては、副業の事業内容や規模、収益性、本業からの収入、返済能力などを確認したうえで融資の可否を判断します。

また、副業が個人事業として行われているのか、法人として行われているのかによっても、利用できる資金調達方法が変わる場合があります。

そこで本記事では、副業で融資を受ける方法について詳しく解説します。副業で融資を受けられる可能性や代表的な融資先、審査で確認されるポイント、必要書類、融資を受ける際の注意点などを紹介しますので、副業の資金調達を検討している方はぜひ参考にしてください。

副業でも融資を受けられるのか

副業を行っている人でも、融資を受けられる可能性はあります。

ただし、「副業をしている」という理由だけで融資が認められるわけではありません。

金融機関が融資を行う場合、基本的には借入した資金を返済できるかどうかが重要な判断材料になります。そのため、副業の事業内容や収益状況だけでなく、本業から得ている収入や既存の借入状況なども確認されることがあります。

たとえば、本業から安定した収入を得ており、副業でも一定の売上が発生している場合には、返済能力を説明しやすくなる可能性があります。

一方、副業を始めたばかりで売上実績がほとんどない場合や、事業計画が不明確な場合は、融資のハードルが高くなる可能性があります。

そのため、副業で融資を受けたい場合は、単に「お金を借りたい」と考えるのではなく、なぜ資金が必要なのか、どのように事業を成長させ、どのように返済するのかを明確にすることが重要です。

副業で融資を受けるメリット

副業で融資を受けるメリットは、自己資金だけでは難しい事業投資を行えることです。

たとえば、物販を副業として行っている場合、仕入れ資金を増やすことで販売量を拡大できる可能性があります。

Web制作や動画制作などの仕事であれば、高性能なパソコンや周辺機器を購入することで、対応できる案件の幅を広げられる場合があります。

また、広告宣伝に資金を投入することで、新規顧客を獲得できる可能性もあります。

副業では、資金が不足していることによって事業拡大のチャンスを逃してしまうケースがあります。融資によって必要な資金を確保できれば、事業の成長を早められる可能性があります。

ただし、融資は返済義務のある資金です。将来的な売上や返済負担まで考えたうえで利用することが大切です。

副業で融資を受けるデメリット

副業で融資を受ける最大の注意点は、借入金を返済しなければならないことです。

副業の売上が想定を下回ったとしても、基本的に借入金の返済義務はなくなりません。

特に、副業を始めたばかりで売上が安定していない段階で大きな借入をすると、返済が本業の家計や事業資金を圧迫する可能性があります。

また、融資を受けるためには審査があり、事業計画書や収支計画などの書類を準備しなければならない場合があります。

融資先によっては、創業や事業実績が少ないことを理由に希望額を借りられない可能性もあります。

そのため、副業の規模や収益性を踏まえて、本当に融資が必要なのかを慎重に検討することが重要です。

副業で利用を検討できる融資の種類

副業で利用できる可能性がある融資には、さまざまな種類があります。

代表的なのが、日本政策金融公庫などの公的な融資制度です。

また、銀行や信用金庫などの金融機関から事業資金として融資を受ける方法もあります。

さらに、金融機関によっては個人事業主向けのビジネスローンなどが用意されている場合があります。

どの融資を利用できるかは、副業の事業形態や実績、資金使途などによって異なります。

そのため、まず自分が個人事業主として事業を行っているのか、法人を設立しているのかなどを整理し、それぞれの条件を確認する必要があります。

日本政策金融公庫から副業の融資を受ける方法

日本政策金融公庫は、創業者や中小企業、小規模事業者などの資金調達を支援する政府系金融機関です。

副業を事業として行っている人が、事業に必要な資金を調達する際の選択肢となる場合があります。

特に、創業間もない事業者は民間金融機関で融資を受ける際に十分な事業実績を示せないことがあります。

日本政策金融公庫では創業者向けの融資制度などが用意されているため、副業を本格的な事業として開始・拡大したい場合には、利用条件を確認する価値があります。

ただし、制度ごとに対象者や融資条件が定められているため、「副業だから必ず利用できる」とは限りません。

申し込み前には、最新の制度内容や対象要件を確認し、自分の事業が対象となるかを確認しましょう。

銀行や信用金庫から副業の融資を受ける

副業を事業として継続しており、一定の売上や利益がある場合には、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける方法も考えられます。

金融機関から融資を受ける場合、過去の事業実績や財務状況、今後の事業計画などが確認されます。

副業を始めたばかりで実績が少ない場合は、融資を受けることが難しい可能性があります。

一方で、数年間にわたって安定した売上があり、確定申告などによって事業の収益を説明できる場合には、事業実績を示しやすくなります。

また、本業から安定した収入を得ている場合でも、事業融資の審査では副業そのものの事業内容や収益性などが確認されることがあります。

副業でビジネスローンを利用する方法

副業の資金調達方法として、ビジネスローンを検討できる場合もあります。

ビジネスローンは、法人や個人事業主などを対象に事業資金を融資する商品です。

一般的な銀行融資と比較して、申し込みから融資までの期間が短い商品もあるため、急な資金需要への対応方法として利用されることがあります。

ただし、商品によって金利や融資限度額などは大きく異なります。

特に、金利が高めに設定されている場合には、長期間にわたって借入を続けると利息負担が大きくなる可能性があります。

副業の一時的な資金需要に利用するのか、長期的な事業資金として利用するのかを明確にしたうえで、返済計画を立てることが重要です。

副業の融資審査で確認されるポイント

副業で融資を申し込む場合、金融機関はさまざまな情報を確認します。

特に重要なのは、事業の収益性と返済能力です。

これまでどの程度の売上や利益があるのか、今後どの程度の収益が見込めるのかなどが確認されます。

また、借入した資金を何に使うのかという資金使途も重要です。

「事業を大きくするために100万円借りたい」という説明だけではなく、「広告費に30万円、仕入れに50万円、設備費に20万円」というように具体的な使い道を説明できるようにしておくとよいでしょう。

さらに、現在の借入状況や税金の支払い状況などが確認される場合もあります。

副業の融資審査では事業実績が重要

副業で融資を受ける際には、事業実績が重要なポイントになります。

金融機関から見ると、これまでどの程度の売上を上げてきたのかは、今後の返済能力を判断するための材料になります。

たとえば、数年間にわたって副業を継続し、毎年一定の売上や利益がある場合は、事業の継続性を説明しやすくなります。

一方、副業を開始して間もなく、まだ売上実績がほとんどない場合には、過去の数字だけで将来性を判断することが難しくなります。

その場合は、事業計画や販売先、受注状況、これまでの業務経験などを具体的に説明することが重要です。

副業の融資審査では本業の収入も関係するのか

副業をしている人の場合、本業からの収入も資金繰りを考えるうえで重要な要素となります。

本業から安定した給与収入がある場合、副業で一時的に売上が減少したとしても、生活費などを一定程度確保できる可能性があります。

ただし、事業向け融資の場合、本業の収入だけでなく、副業事業そのものの収益性や事業計画も確認されることがあります。

また、本業の勤務先に副業に関する規定がある場合は、事前に確認しておく必要があります。

融資を受ける前に、本業と副業の収支を整理し、事業にどの程度の資金を投入できるのかを把握しておきましょう。

副業で融資を受けるなら事業計画を明確にする

副業の融資審査を受ける場合、事業計画を明確にしておくことが重要です。

副業だからといって、「空いた時間に仕事をする」という程度の計画では、事業の収益性や継続性を説明しにくい場合があります。

どのような商品やサービスを提供するのか、誰をターゲットにするのか、どのように顧客を獲得するのかを整理しましょう。

また、本業がある場合は、副業にどの程度の時間を使えるのかについても考える必要があります。

たとえば、平日の夜と休日だけで対応するのか、将来的には副業を本業にする予定なのかによって、事業計画は大きく変わります。

限られた時間の中でどのように売上を作るのかを具体的に説明できれば、事業の実現可能性を伝えやすくなります。

副業の融資では資金使途を明確にする

融資を申し込む際には、借りた資金を何に使うのかを明確にする必要があります。

資金使途が曖昧だと、必要な借入額を正確に算出することも難しくなります。

たとえば、物販を行う場合には仕入れ代金、Web制作ならパソコンやソフトウェア、飲食関連なら設備や仕入れなど、事業によって必要な資金は異なります。

設備投資をする場合には、見積書などを準備しておくと必要額を説明しやすくなります。

また、運転資金についても、何カ月分の費用を確保したいのかを明確にしておくことが大切です。

副業で融資を受けるために必要となる書類

副業で融資を申し込む場合、融資先によってさまざまな書類が必要になります。

個人事業主の場合は、確定申告書や事業内容を確認できる書類、売上や経費を確認できる資料などを求められることがあります。

また、融資の目的によっては、事業計画書、資金繰り表、設備の見積書などが必要になる場合があります。

本業が会社員である場合には、給与収入を確認できる書類などの提出を求められるケースもあります。

必要書類は融資制度によって異なるため、申し込み前に金融機関へ確認しておくと安心です。

副業の融資では確定申告が重要になる

副業を事業として行っている場合、確定申告によって事業の売上や経費などを適切に記録しておくことが重要です。

金融機関から融資を受ける際には、過去の確定申告書などを事業実績の確認資料として提出する場合があります。

確定申告を適切に行っていれば、副業によってどの程度の売上や所得が発生しているのかを説明しやすくなります。

特に、複数年にわたって安定した実績がある場合には、事業の継続性を示す材料にもなります。

副業の規模が大きくなってきた場合には、日頃から売上や経費を適切に管理しておきましょう。

副業で融資を受ける前に資金繰りを確認する

融資を申し込む前には、現在の資金繰りを確認することが重要です。

まず、手元にどの程度の自己資金があるのかを確認します。

次に、今後発生する仕入れや広告費、設備費などを洗い出し、いつ、いくらの資金が必要になるのかを整理します。

さらに、毎月の副業収入からどの程度の返済額を負担できるのかを計算します。

副業の場合、本業の給与があるからといって、無理な借入をしてよいわけではありません。

本業の生活費や住宅費なども考慮し、副業の収入だけで無理なく返済できる水準を意識することが大切です。

副業で借りすぎないことも重要

融資を受けられる金額と、実際に必要な金額は必ずしも同じではありません。

「多く借りられるなら多く借りておこう」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。

借入額が増えるほど、毎月の返済額や利息負担も大きくなります。

副業の売上が安定していない場合、想定していた収益を確保できず、返済が負担になる可能性があります。

そのため、必要な資金を具体的に計算し、できるだけ過剰な借入を避けることが重要です。

特に、趣味に近い段階の副業であれば、融資を受ける前に自己資金だけで小規模に始め、需要を確認してから事業を拡大する方法もあります。

副業の資金調達では融資以外の方法も検討する

副業の資金調達方法は融資だけではありません。

自己資金を活用する方法に加えて、売掛金が発生する事業であればファクタリングによって早期に資金化する方法もあります。

また、事業内容によっては補助金や助成金などを利用できる可能性があります。

クラウドファンディングによって顧客から事前に資金を集める方法もあります。

それぞれメリットや条件が異なるため、資金が必要になった理由や調達までの時間を考慮して選択することが重要です。

特に、融資は返済が必要ですが、補助金などは一定の条件を満たせば返済不要となる場合があります。

ただし、補助金や助成金は対象となる事業や経費、申請時期などが限定されていることがあるため、利用条件を確認する必要があります。

副業で融資を受ける際に注意したいポイント

副業で融資を受ける場合は、まず「本当に借入が必要なのか」を検討することが重要です。

副業は本業と比較すると、売上規模が小さい段階からスタートするケースも多くあります。

そのため、少額の自己資金で始められる事業であれば、無理に借入を行わないほうが資金繰りを安定させやすい場合があります。

一方で、設備投資や仕入れなどにまとまった資金が必要で、融資によって事業を拡大できる明確な見込みがあるのであれば、借入を有効に活用できる可能性があります。

重要なのは、借入によって得られるメリットと返済負担を比較することです。

本業と副業の資金を分けて管理する

副業を始めたら、本業の給与と副業の売上をできるだけ分けて管理することが大切です。

副業専用の銀行口座を用意すれば、事業に関する入出金を把握しやすくなります。

また、クレジットカードなども事業用と生活用を分けることで、経費の管理がしやすくなります。

融資を受けた場合には、借入金についても適切に管理し、資金使途を明確にしておく必要があります。

こうした管理を日常的に行っておけば、確定申告の際にも収支を整理しやすくなり、将来的に追加融資を検討する場合にも役立つ可能性があります。

副業から本業へ移行する場合の融資

副業として始めた事業が成長し、将来的に本業へ移行するケースもあります。

この場合、事業規模が拡大するにつれて必要な資金も増えていく可能性があります。

たとえば、会社を退職して事業に専念する場合には、設備資金だけでなく、生活費を含めた資金計画も必要になるでしょう。

また、従業員を雇用したり、事務所や店舗を構えたりする場合には、これまで以上に大きな運転資金が必要になることがあります。

副業を将来的に本業へ成長させるのであれば、短期的な売上だけでなく、中長期的な事業計画を作成しておくことが重要です。

副業の融資を成功させるためのポイント

副業で融資を受けるためには、事業の実態を分かりやすく説明できる状態にしておくことが大切です。

まず、副業でどのような商品やサービスを提供しているのかを明確にします。

次に、誰が顧客なのか、どのような方法で顧客を獲得しているのか、競合と比較したときの強みは何なのかを整理します。

そのうえで、現在の売上と今後の売上見込み、必要経費、利益、借入後の返済計画などを具体的にまとめます。

また、本業がある場合は、副業に割ける時間や今後の働き方についても説明できるようにしておくとよいでしょう。

「副業だから小規模」という理由だけで事業計画を簡略化するのではなく、実際の事業内容に基づいた現実的な計画を作ることが重要です。

まとめ

副業を行っている個人事業主でも、事業内容や収益性、返済能力などの条件を満たせば融資を受けられる可能性があります。

副業で融資を利用することで、仕入れや設備投資、広告宣伝などに必要な資金を確保でき、事業を拡大するための選択肢を増やせます。

代表的な資金調達先としては、日本政策金融公庫、銀行、信用金庫などの金融機関があり、条件によってはビジネスローンなども検討できます。

ただし、副業だからといって融資審査が簡単になるわけではありません。金融機関では、事業の収益性や事業実績、資金使途、今後の事業計画、返済能力などが確認されます。

特に副業を始めたばかりで実績が少ない場合は、これまでの経験や受注状況、顧客獲得方法、今後の売上見込みなどを具体的に説明できるようにしておくことが重要です。

また、融資を受ける前には、本当に借入が必要なのかを慎重に検討しましょう。融資は事業を成長させるための有効な手段ですが、借入金には返済義務があります。

必要な資金を正確に計算し、借入後の毎月の返済額を確認したうえで、無理のない返済計画を立てることが大切です。

副業の規模が大きくなれば、将来的に本業へ移行したり、法人化したりする可能性もあります。その場合は、現在の資金需要だけでなく、中長期的な事業計画まで考えて資金調達を行うとよいでしょう。

副業で融資を活用する際は、自己資金や融資だけに限定せず、補助金・助成金、ファクタリングなども含めて、自分の事業に適した資金調達方法を比較することが重要です。事業の収益性と返済能力を十分に確認したうえで、融資を上手に活用しましょう。