ABLって何?資産を使った資金調達をやさしく整理
2026年2月1日
ABLとはどんな資金調達方法か
ABLとは、Asset Based Lendingの略称で、日本語では「動産・債権担保融資」などと呼ばれる資金調達方法です。企業が保有している資産を担保として、その価値に応じた融資を受ける仕組みが特徴です。ここでいう資産には、不動産だけでなく、売掛債権や在庫、機械設備など、事業活動の中で日常的に使われているものが含まれます。
従来の銀行融資では、不動産や保証人の有無が重視される傾向がありました。しかしABLでは、企業が実際に事業を通じて生み出している資産そのものに注目する点が大きな違いです。そのため、成長途上にある企業や、不動産を多く持たない企業にとっても検討しやすい資金調達方法として注目されています。
ABLが注目されるようになった背景
ABLが広く知られるようになった背景には、企業の資産構成や経営環境の変化があります。特に中小企業では、不動産よりも売掛金や在庫といった流動資産の比率が高いケースが少なくありません。そうした実態に合わせた資金調達方法として、ABLの考え方が注目されるようになりました。
また、金融機関側にとっても、事業内容や資産の中身をより深く理解したうえで融資を行うABLは、企業の実態に即した融資手法といえます。単なる財務数値だけでなく、事業の流れそのものを評価する点が特徴です。
ABLで担保として扱われる資産
ABLでは、さまざまな資産が担保の対象となります。代表的なのが売掛債権です。すでに発生している売掛金や、継続的な取引から生じる債権は、将来の入金が見込める資産として評価されます。
また、在庫もABLの重要な対象です。商品や原材料など、事業活動に不可欠な在庫は、適切に管理されていれば資産価値として認められます。さらに、機械設備や車両などの動産が対象となるケースもあり、企業の事業内容によって担保の形はさまざまです。
ABLの基本的な仕組み
ABLでは、担保となる資産の価値を定期的に評価し、その範囲内で融資が行われます。たとえば売掛債権であれば、取引先の信用力や回収実績を踏まえて評価され、在庫であれば数量や保管状況、回転率などが確認されます。
このように、ABLは一度契約すれば終わりというものではなく、継続的な管理が前提となる資金調達です。金融機関と企業が密に情報を共有しながら運用される点が、一般的な融資との違いといえるでしょう。
ABLを利用するメリット
ABLのメリットは、企業が持つ資産を有効活用できる点にあります。これまで資金調達に結びつきにくかった売掛金や在庫を評価してもらえることで、資金繰りの選択肢が広がります。
また、事業規模や成長性が評価されやすい点も特徴です。過去の決算内容だけでなく、現在進行形の事業活動が重視されるため、成長段階にある企業にとっては前向きな資金調達方法となる可能性があります。
ABLを利用する際の注意点
一方で、ABLには注意すべき点もあります。担保となる資産は常に管理・報告が求められるため、事務負担が増える可能性があります。売掛債権や在庫の状況を正確に把握し、金融機関に報告する体制が整っていないと、運用が難しくなることもあります。
また、担保資産の価値が下がった場合には、融資額の見直しが行われることもあります。資産価値の変動が資金繰りに影響を与える点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
ファクタリングとの違い
ABLは売掛債権を活用する点で、ファクタリングと比較されることがあります。しかし両者は仕組みが大きく異なります。ファクタリングは売掛債権を譲渡して資金化する方法であるのに対し、ABLはあくまで融資であり、資産を担保として借入を行う形です。
そのため、返済義務の有無や、財務諸表への影響も異なります。どちらが適しているかは、資金調達の目的や期間、企業の状況によって判断することが重要です。
ABLが向いている企業の特徴
ABLは、売掛債権や在庫を安定的に保有している企業に向いています。特に、取引先が比較的安定しており、継続的な売上が見込める場合には、ABLの仕組みを活かしやすいといえます。
一方で、資産管理が十分にできていない場合や、事業の変動が激しい場合には、慎重な検討が必要です。ABLは、企業の実態を正確に把握する体制があってこそ効果を発揮する資金調達方法です。
まとめ
ABLは、企業が持つ売掛債権や在庫などの資産を活用して資金を調達する方法であり、従来の融資とは異なる視点を持つ仕組みです。不動産に依存しない資金調達手段として、特に中小企業や成長企業にとって注目されています。
ただし、資産管理や報告体制が求められるなど、運用面での負担もあります。ABLの特徴を正しく理解し、自社の事業内容や資金繰りに合っているかを見極めたうえで活用することが、安定した経営につながるといえるでしょう。
