法人向けファクタリング手数料の相場を徹底解説!コストを抑える選び方

2025年12月2日

法人経営において、急な資金ニーズやキャッシュフローの改善は常に大きな課題です。その解決策として注目されているのが「ファクタリング」ですが、利用を検討する際に最も気になるのが「手数料」ではないでしょうか。

「銀行融資に比べて高いと聞くけれど、実際どれくらいが妥当なの?」
「法人なら、個人事業主よりも安くなる可能性はある?」

本記事では、法人向けファクタリングにおける手数料の相場を、方式別・条件別に詳しく解説します。あわせて、手数料が決まる仕組みや、1%でも安く抑えるための具体的なテクニック、さらには悪徳業者を避けるためのチェックポイントまで網羅しました。この記事を読めば、適正価格で賢く資金調達を行うための知識がすべて身に付きます。

1. ファクタリング手数料の相場はどのくらい?方式別の違い

ファクタリングの手数料相場は、一律ではありません。最も大きな変動要因となるのは、取引の形式が「2者間」か「3者間」かという点です。法人取引において、それぞれの相場がどのように設定されているかを見ていきましょう。

2者間ファクタリングの相場:8%〜18%

2者間ファクタリングとは、利用者(あなたの会社)とファクタリング会社の2者だけで契約を完結させる方式です。取引先(売掛先)に通知が行かないため、今後の取引に影響を与えないというメリットがありますが、手数料相場は**8%〜18%**と高めに設定されています。

なぜ2者間は高いのか。それは、ファクタリング会社にとって「未回収リスク」が高いからです。売掛先から利用者の口座に入金された後、その資金が確実にファクタリング会社へスライド送金されるという保証がないため、そのリスクプレミアムが手数料に乗せられています。

3者間ファクタリングの相場:1%〜9%

3者間ファクタリングは、利用者、ファクタリング会社に加えて、売掛先(取引先)も含めて合意を得る方式です。売掛先からファクタリング会社へ直接入金されるため、業者の回収リスクが激減します。そのため、手数料相場は**1%〜9%**と、銀行融資に近い水準まで下がります。

法人の場合、大手企業との取引があれば、3者間を選択することで大幅なコストダウンが狙えます。ただし、取引先に「資金繰りが厳しいのではないか」という懸念を抱かれるリスクを考慮する必要があります。

2. 法人向けファクタリングで手数料が決まる5つの基準

手数料の相場に幅があるのは、ファクタリング会社が個別の案件ごとにリスクを精査しているからです。法人取引において、審査担当者がどこを見て手数料を算出しているのか、その裏側を解説します。

① 売掛先(取引先)の信用力

ファクタリング審査で最も重視されるのは、利用者(あなたの会社)の業績ではなく、**「売掛先(支払いをする会社)」の信用力**です。
売掛先が上場企業や公的機関、あるいは社歴の長い優良企業であれば、倒産や支払い遅延のリスクが低いと判断され、手数料は相場の下限に近づきます。逆に、売掛先の業績が悪化していたり、設立間もない会社であったりする場合は、手数料が高くなる傾向にあります。

② 売掛債権の支払い期日までの期間

売掛金の入金日が「今日から何日後か」も重要なポイントです。支払い期日が30日後の債権と、90日後の債権では、後者の方が手数料は高くなります。
期間が長いほど、その間に売掛先が倒産するリスクが高まり、ファクタリング会社にとっては資金を拘束される時間が長くなる(金利コストが増える)ためです。

③ 買取を希望する金額の規模

一般的に、買取金額が大きければ大きいほど、手数料率は下がります。
ファクタリング会社にとっても、100万円の案件を10件処理するより、1,000万円の案件を1件処理するほうが事務コストが低く抑えられるからです。少額の債権を細かく売却するよりも、ある程度まとまった金額を一度にファクタリングするほうが、法人としてはコスト効率が良くなります。

④ 利用回数(初回かリピートか)

初めて利用する会社よりも、2回目以降の継続利用の方が手数料は優遇されます。
過去の取引で、期日通りにしっかりと入金(送金)が行われたという実績は、最大の信頼材料になります。法人として特定の業者と長く付き合うことは、手数料を段階的に下げていく有効な戦略となります。

⑤ 償還請求権の有無(ノンリコース)

日本のファクタリングの多くは「償還請求権なし(ノンリコース)」です。これは、売掛先が倒産しても利用者が肩代わりしなくてよい契約です。
業者がすべての倒産リスクを背負うため、その分手数料は高くなります。万が一、償還請求権がある(利用者が責任を負う)契約であれば、手数料は極めて低くなければなりませんが、それは実質的に「融資」に近い性質を持つため注意が必要です。

3. 手数料以外にかかる「隠れたコスト」に注意

法人として契約を結ぶ際、額面上の「手数料率」だけに目を奪われてはいけません。実際の手取り額を左右する、その他の費用についても理解しておく必要があります。

債権譲渡登記費用

法人が2者間ファクタリングを利用する場合、債権の所有権を公的に証明するために「債権譲渡登記」を求められることがあります。
これには登録免許税や司法書士への報酬がかかり、**数万円から10万円程度**のコストが発生します。買取金額が少ない場合、この登記費用が重くのしかかり、実質的な手数料率を跳ね上げる要因になります。最近では、登記不要のオンライン完結型サービスも増えています。

事務手数料・振込手数料

契約事務にかかる実費や、振込手数料を利用者が負担するケースがあります。これらは数千円程度のことが多いですが、契約のたびに発生するため、見積もり時に「総額でいくら引かれるのか」を確認することが重要です。

審査料や着手金(悪徳業者のサイン)

優良なファクタリング会社は、成功報酬としての手数料のみを徴収します。
契約前に「審査料」や「着手金」「調査費」などの名目で金銭を要求してくる業者は、悪徳業者の可能性が高いです。法人の焦りにつけ込む手口ですので、絶対に応じないようにしましょう。

4. 法人経営者が手数料を安く抑えるための実践テクニック

相場よりも少しでも有利な条件で資金調達をするために、法人側ができる工夫を4つ紹介します。

信用度の高い売掛債権を優先する

手元に複数の売掛債権がある場合、最も信用力の高い(大手企業などの)債権を選んでファクタリングに出しましょう。債権の「質」が良いほど、交渉の余地が生まれます。

複数の業者で「相見積もり」を取る

ファクタリング業界は現在、非常に競争が激化しています。法人の大口案件であれば、業者は喉から手が出るほど欲しがっています。
「A社は10%と言っているが、御社はどうですか?」と相見積もりを提示することで、手数料率が数%下がることは珍しくありません。

オンライン完結型(非対面)サービスを利用する

AI審査を活用したオンライン完結型のファクタリングは、人件費や店舗運営費がかからない分、従来型の対面業者よりも手数料が低く設定されていることが多いです。10%を切る手数料を提示する2者間業者も増えており、法人のスピード調達にも適しています。

3者間への切り替えを打診する

もし取引先との関係性が強固であれば、思い切って3者間ファクタリングへの協力を仰ぐのも手です。「支払い条件の変更」ではなく「資金効率の最適化」というポジティブな理由で説明すれば、承諾を得られるケースもあります。手数料が10%から2%に下がれば、営業利益に大きなプラスの影響を与えます。

5. 闇金・悪質業者を避けるための手数料チェックリスト

ファクタリングを装った高利貸し(偽装ファクタリング)に手を出してしまうと、法人の存続が危ぶまれます。以下のチェックリストに該当する場合は、利用を控えてください。

手数料が30%を超えている: どんなにリスクが高くても、30%以上の手数料は法外です。
契約書が「売買」ではなく「貸付」のようになっている:ファクタリングは債権の売却です。
分割返済を提案される:本来、売掛先からの入金後に一括で送金するのがルールです。分割払いは「融資」とみなされます。
「給料ファクタリング」を勧めてくる: 法人向けではなく個人向けですが、これは100%闇金です。

6. まとめ:適正な手数料を知り、賢いキャッシュフロー管理を

法人向けファクタリングの手数料相場は、2者間なら8%〜18%、3者間なら1%〜9%が目安です。
この数字を基準に、自社が持つ売掛先の信用力や支払いまでの期間を照らし合わせ、提示された見積もりが妥当かどうかを判断してください。

手数料は、銀行融資に比べれば確かに高いコストです。しかし、売掛金を早期に現金化することで、新しい仕入れができたり、割引が受けられたり、あるいは不渡りを回避できたりするのであれば、それは価値のある投資といえます。

大切なのは、「いくら取られるか」だけでなく、「その資金でいくらの利益を生み出せるか」という経営者視点を持つことです。適正な相場でファクタリングを活用し、盤石な財務基盤を築いていきましょう。