ファクタリングの会計処理とは?仕訳例をわかりやすく解説

2025年12月30日

近年、資金繰り改善の手段として「ファクタリング」を利用する企業が増えています。一方で、経理担当者からは「会計処理が分かりにくい」「仕訳はどうすればいいのか」といった声も多く聞かれます。

本コラムでは、ファクタリングの基本的な考え方から、会計上の仕訳例までを実務目線で分かりやすく解説します。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、売掛金(未回収の請求書)をファクタリング会社に売却し、早期に資金化する取引です。借入ではなく、あくまで債権の譲渡である点が大きな特徴です。

ファクタリングには主に次の2種類があります。

2社間ファクタリング:利用企業とファクタリング会社の2者で行う

3社間ファクタリング:利用企業・取引先・ファクタリング会社の3者で行う

会計処理は「償還請求権の有無」によって大きく変わります。

会計処理の基本的な考え方

償還請求権ありの場合

売掛先が倒産した場合などに、利用企業が返済義務を負う契約です。実質的には「借入」に近いため、売掛金は消さず、負債を計上します。

償還請求権なしの場合

売掛金回収リスクをファクタリング会社が負う契約です。**売掛金の売却(債権譲渡)**として処理し、売掛金を消滅させます。

ファクタリングの仕訳例

① 償還請求権なし(売掛金の売却)の場合

前提条件

売掛金:1,000,000円

手数料:50,000円

入金額:950,000円

仕訳例

(借方)普通預金 950,000
(借方)売上債権売却損 50,000
(貸方)売掛金 1,000,000

この場合、手数料は「売上債権売却損」や「支払手数料」として費用計上します。

② 償還請求権あり(借入的処理)の場合

前提条件

売掛金:1,000,000円

手数料:50,000円

入金額:950,000円

資金受領時の仕訳

(借方)普通預金 950,000
(借方)支払手数料 50,000
(貸方)短期借入金 1,000,000

※売掛金はそのまま残ります。

売掛金回収時の仕訳

(借方)短期借入金 1,000,000
(貸方)売掛金 1,000,000
3社間ファクタリングの注意点

3社間ファクタリングでは、売掛先から直接ファクタリング会社へ入金されます。償還請求権なしの場合は、基本的に「売掛金の消滅」として処理します。

会計処理自体は2社間と大きく変わりませんが、債権譲渡通知のタイミングや入金確認方法に注意が必要です。

仕訳でよくある注意点

ファクタリング手数料を「支払利息」としない(借入ではないため)

契約書で「償還請求権の有無」を必ず確認

税務上の扱い(消費税区分)にも留意

不明点がある場合は、税理士や公認会計士に相談することをおすすめします。

まとめ

ファクタリングの会計処理は、

償還請求権の有無

2社間・3社間の違い

を正しく理解することで、適切な仕訳が可能になります。実務では契約内容を確認し、実態に即した処理を行うことが重要です。